ドル円(USDJPY)とユーロドル(EURUSD)の概要
ドル円とユーロドル(そして金も!)に関しては、「当サイトのコンセプトであるインデックスについての記事」ではありませんが(笑)、「他のインデックス(ドルインデックスやNYダウ、日経平均など)の影響を受けて動く市場」として取り上げています。
※これを基幹商品と追随商品(影響を受けて動くのが追随商品)と呼んでいます。ドル円とユーロドルは追随商品です。
FXでは基本的に、ドル円・ユーロドルがドルインデックス・金相場との相関関係として分かり易く、イレギュラーが少ないのでオススメ!
ドル円・ユーロドルはまず、どちらもドルストレート。
ドル円(USDUJPY)とユーロドル(EURUSD)の共通点は米ドル。
という事で、今日はドル円とユーロドルのトレードについて。為替の中で私が一番得意とする市場です。
ドル円とユーロドルの値動きを見る時に、どういうロジックで考えますでしょうか?
まずは「米ドル自体の値動きが、各通貨ペアに大きな影響を及ぼす」という点について考えてみましょう。
USDJPYもEURUSDも、どちらもUSD(ドルストレートなので当たり前なのですが(笑))、特にこの2つの通貨ペアは分かり易い市場なので、おそらく今回の記事を読んだけで値動きのロジックがある程度理解出来るのではないでしょうか。
私も全てを知っているわけではないので、知っているロジックをお話します。
ドル円とユーロドルはドルインデックスの中で大きなウェイトを占めている。
ドルインデックス、はご存知でしょうか。
ドルインデックスとは、米ドルの価値を相対的に評価する事が出来る指数です。何種類かありますが、その内2つのドルインデックスが重要であると考えています。
一つ目は、DXYと呼ばれるドル指数。これは主にユーロ対米ドル(つまりEURUSD) がメインとなっており、他に円やスイスフランなど様々な通貨が対ドル価値を計るものとして決められた割合で構成されています。
二つ目はFXCMが出しているドルインデックス。TradingviewではUSDOLLARという銘柄です。このドルインデックスは、ユーロ、円、オージードル、ポンドの4種類を原則的には均等に4分割して対ドル価値を計るものとして構成されています。
それら2つのドルインデックスは、もちろん、通貨ペアがあって初めて出来たものですが、今では指数こそが指標となっています。※ドルインデックスが上がるからどうこう、下がるからどうこう。そのような具合です。
よって、あなたが為替をトレードする時に、このドルインデックスの存在をもしも知らないとしたら、値動き自体が分かっていない事になってしまいます。ご存じなければ今すぐTradingviewへアクセスし、DXYとUSDOLLARと検索する事をオススメします。
金とドルインデックスは基幹商品となり得る。
次に、金とドルインデックスをタイトルに含めましたのでこの点について。なぜ金とドルインデックスなのか?
ドル円とユーロドルのトレードの参考になるからです。
先ほど書いた通り、今は参考になる指標としてのドルインデックスがあり、次にドルストレートの通貨ペアがあります。ドルストレートが上昇する年にはユーロドルもポンドドルも下落します。
逆にドルインデックスが下落する年には、ユーロドルもポンドドルも上昇します。ただ、それだけです。
金相場が上昇する時。ドル円は下落します。そして、ドル円程強い相関関係にはありませんが、ユーロドルは金と同方向へ動く性質があります。
では、質問です。
これらの事を総合すると、「ドルインデックスが上昇し、金が下落する時。ドル円とユーロドルはどう動くでしょうか?」
金が下落。ドルインデックスが上昇。ドル円はどちらへ動く?ユーロドルはどちらへ動く?
ドル円 ユーロドルは追随商品。
ご説明して来たように、ドル円とユーロドルは基幹商品ではありません。ある意味で基幹商品のはずですが今は違います。
ドルインデックスがあり、金相場がある。他に、米国10年債利回りがあり、株価指数の上げ下げがある。その上で、影響を受けて動いている程度の市場です。
- 他の市場を引っ張る力がない市場。これを私は「追随商品」と呼んでいます。
- 他市場をも引っ張る市場を「基幹商品」と呼びます。
先ほどの問題の正解は、金が下落しドルインデックスが上昇する時、ドル円は上昇し、ユーロドルは下落する。でした。
では、それが分かったとして
今後トレードにどう活かされるのでしょうか?
相関関係を考える。
同方向へ動く基幹商品と、
逆方向へ動く基幹商品。
私は多くの場合で、取引する時はまずこの2つを見つけます。そして、同方向へ動く市場が上昇するタイミングで、逆方向へ動く市場も下落するタイミングに買います。
単体で追随商品の上げ下げを考えるよりも、はるかに正解を導き出しやすいからです。その他の市場においても、是非、基幹商品を見付けてみて下さい。
ちなみに、FXとCFDの基幹商品・追随商品は既に正解を(時流によって変わるが)表にまとめてあり、テキスト教材にもなっています。宜しければご覧下さい。
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金とドルインデックスは逆へ動きやすい。
もう一つ。これまでの話からお分かりだと思いますが、金とドルインデックス同士も逆方向へ動きやすい市場です。これらの相関関係が事が分かっていると、ドル円とユーロドルの取引はとても簡単です。
また、ドル円レートについては日本人皆に馴染みが深いものだと考えていますが、円の価値と米ドルの価値。この2つを比べた時に、「どちらが今注目されているのか?」という点についても本当は考える必要があります。
ドル円の上昇は、円安なのか?それとも、ドル高なのか?ですね。
ドル円と金は逆方向へ動きやすく、ドル円とドルインデックスは同方向へ動きやすい。
まとめますと、ドル円と金は逆方向に、ドル円とドルインデックスは同方向へ動く。それも結構強い相関関係があります。
ユーロドルと金は同方向へ動きやすく、ユーロドルとドルインデックスは逆方向へ動きやすい。
ユーロドルと金は同方向へ、ユーロドルとドルインデックスは逆方向へ動きやすい。しかしユーロドルの場合は、金よりもドルインデックスの動きに注目すべき。なぜならば、DXYの大きなウェイトを占めているのがユーロだからです。金はドル円、ドルインデックスはユーロの逆に動く市場として取引に利用するのが最適です。
また、これまでの事から・・・ドル円とユーロドルは逆へ動きやすいとも言える。
この点にも注目したいところです。
ユーロ円の場合、株価が順調でドル円もユーロドルも同時に上げているような状況(これもよくある)の時に一方的に上昇し、またマーケット全体に不穏な空気が立ち込めて全体的に下落方向になっている時には一緒になって下落する傾向があります。しかし原則的にはドル円とユーロドルが同方向へ動かなければ、値動きが出にくい通貨ペアです。
それよりも、私は米ドルの値動き(米ドル価値。ドルインデックス)に素直に反応してくれるドル円とユーロドルが好きですね!あなたはドルストレート派ですか?それとも、クロス円派?
では、ドル円とユーロドルの相場分析を中心に、例を挙げてご説明します。
ドル円とユーロドルの2021年2月~3月の値動き【例】
先月2月頭に、動画【月間展望2021年2月号】で配信した内容では『これらのフィボナッチチャネルを割れておらず、しかも近い値位置で1月終値を付けているため、一度割れても戻りやすく、戻った場合はこのチャートに描いた値位置で売られる可能性が極めて高いです。』という話をしました。
結果、月初めには戻らず(上昇せず)、最初に下落した後、上昇して予め言っておいた値位置で反落しました。私個人としては、ここまで分かっていますので底で買って天井で売っています(今も天井では売っている)。
この相場には重要なラインが3つあります。その一つに着いたので跳ねています。※2021年3月2日です。ここでも底で買っています。
この値位置を割れると、次は、残り二つのラインへ向けて下落する事になりますが、その前に上昇目標値へ到達してからの事でしょう。
上昇目標値には売り指値が入っているので、到達次第、両建て(りょうだて)になり、それ以上伸びるようなら売りを消して、下落するようなら買いを減らす事になります。これは前回書いた両建てスタイルの売買手法です。
問題はここからです。ユーロドルが高値から下落して、今天井から売りながら買いを入れた、という話までしました。
その時、このチャートの 金相場日足でも同じように目標値の一つへ到達しています 。
これがユーロドルと金相場の相関関係です。※8年前に相関関係を「相場の相対性」と名付けました(笑)。しかし最近では「相関関係」と、正式名称でお話するようにしています。相場の相対性理論の教材はこちら
金は多少ですが、やはり、3月2日は日足レベルで跳ねています。なぜなら目標の一つへ着いたから。
複合的に考えると次のラインまでいずれ行く方が自然です。とは言え、一気に行くような相場ばかりでもないので、目標値へ着けば利食いが発生し、値が戻ります。
FXという、特に短期売買に適した市場では
基幹商品となりやすい市場を参考にしながら売買すれば、一回一回のラインでの反発の影響で簡単に天底を取る事が可能です。
以上、FXに使える相関関係の話でした。